免責
免責とは、「責」を「免れる」という字が表すように、ある事項に関しての一切の責任を負わなくてよくなることをいいます。
金銭のやり取りの中で言われる免責は、債務、つまり借金の返済の義務を免れると言う事を指します。
借金を返さなくてよいというと、借りるだけ借りて踏み倒した者勝ちみたいに思われてしまいがちですが、そんな非人道的な事が許されるはずがありません。
確かに借金を返さなくて済むようになるのが免責ですが、そこに行き着くまでには、当然多くの手続きや、何より精神的な苦痛が伴います。
この制度は、許容される範囲の理由により借金が増えすぎて返済が困難になった債務者が、経済体制を整え、再び健全な生活に戻れる事を助ける為に存在します。
借りた者勝ちと考えて免責を受けようとしても、それは通らない仕組みになっています。
ギャンブルやあまりにも悪質な多重債務など、返済する事を視野に入れていない借り入れ状況が明らかである場合などには、当然免責を受けられません。
よく自己破産をすれば借金を払わなくて済むと考えている人がいますが、自己破産は免責に向けてのスタートラインに立ちましたという宣言をしているだけで、実際、借金を支払う義務は生き続けています。
そのスタートラインから、どれだけ支払が困難か、また、どれだけ反省しているのかと言う誠意が問われ、裁判所にそれが認められれば免責が受けられるのです。
基本的に、借りたものは返すのが人として当然の事です。
それでも事情によっては、ままならないことが出てくる場合もあります。
免責は「責」を「免れる」事が目的ではなく、その先の将来をしっかりと生き抜くという再生を誓う為の制度なのです。